日産ノート(E12)に乗られる兵庫県のSさんより、アライメント調整依頼がありました。
新車で購入された直後から左に流れる症状があり、ディーラーで調整したことで少し良くなったそうですが症状は完全には消えず、更にフロントキャンバー調整は不可能と説明されたということで、キャンバー調整を含めたアライメント調整のご相談がありました。
日産の修理書を確認するとキャンバー調整は出来ないと記載されていましたが、トヨタのボルトを使用することでキャンバー調整が可能であることをSさんにお伝えし、作業をお受けしました。
症状の確認のための走行を行うと、左に流れるというよりも真っすぐ走らない状態で、真っすぐ走らせるステアリング位置が存在しません。
左に走ろうとする時にステアリングを右に修正すると今度は右に走り、それをステアリングで左に修正するとそのまま左に走るのです。
弱い蛇行状態でステアリングのセンター位置が決まらず、常に修正しながら走らせることになるので、左流れと感じられたものと思われます。
ピットに戻り測定を行ってみるとフロントトーインがとても強く、これが蛇行する原因と思われました。
そこでキャンバーによる直進性と適切なトーインで安定した状態にすることにしました。
まずはフロントキャンバーですが、純正の状態でどこまでネガティブになるのかボルトを緩めてみたところ、ズリズリッと希望する値まで動いてくれたので、そのまま調整値として固定。
フロントトーはキャンバーに合わせて値を決めて調整し作業終了。
修理書では「キャンバーの調整機構はない」と書いてありましたがボルトの直径を調べてみたところ、トヨタのキャンバー調整用ボルトと同じであったので、大きく動いたことが判明。
テスト走行を行うと、左右に走る症状は消えてステアリングセンターも存在するようになり、路面状況の良いところではステアリングを軽く持つだけで真っすぐ走るようになりました。
これでSさんのご希望される内容に近いと思われましたので、これで乗って頂くことにします。
今回ご依頼されたSさんは2016年7月にフィット(GD1)でアライメント調整を弊社にて作業をさせて頂いた方で、フィットと同じような症状であったため、メールにてご依頼されました。
兵庫県からお越し頂きありがとうございました。
中田自動車 Nakada Automobiles japan
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整備工場の対処として、不具合を理解し、その対処・修理が的確で素晴らしい仕事をされていると感じられる。
純正キャンバー調整用ボルトが他社製と同等であり、それを転用可能と判断できるのは経験と知識によるものと推察されます。
どの職種であれ、このような対処のできる能力を養うことが大切ですね。
私は安価な中古車を所有することを望むので、このような不具合の事例をネット上で皆さんが掲示してくれるのはおもしろいです。
コメントを頂きありがとうございます。
サスペンション交換を含めたアライメント調整に関して、過去に整備させて頂いた車両に於ける経験になります。
キャンバー調整に関しては多くの社外品メーカーより調整用部品を準備する事が出来ますが、最近の車両の場合ボルトの締め付けトルクがとても大きいので、そのまま使うことが不可能な場合も多いのです。
しかし自動車メーカーが補修用で準備する部品は、締め付けトルクが車両に合うようにしてありますので、安心して使うことが出来ます。
トヨタだけでなく、スズキやホンダにも補修用ボルトの存在がありますし、弊社ではほとんど在庫として準備しております。
これからも作業のブログを更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します。